In Search of a Way of Teaching “How to Be a Good Language Learner” ―The 2010 Required TOEIC English I Class Reconsidered―

加速していく国際化・高度情報化・少子高齢化社会の激流の中で，大学はついに「全入時代」に突入した。学生の多様化と歯止めのかからない低学力化という困難に対する有効な対策が模索されている今，城西大学の１年生にとって大学入学初年度にして，かつ，学校英語最後の必修科目になる可能性の高い授業の中で，英語の基礎・基本の復習と，時代と社会の要請でもあるTOEICイングリッシュというコミュニケーションのための英語力の育成の二つをどうすれば達成しうるのか。拙論では，城西大学における2010年度のTOEIC English Iの授業を，目的・方針・到達目標・授業内容・方法・テスト結果・学生による目標到達度評価などから省察的に振り返り，彼らは英語の学び方を学んだのかという視点からその現状と課題を明らかにし今後の授業改善に向けての糸口を探る。研究の結果わかったことは，教師による成績評価は単位認定上当然重要であるが，より本質的なことは，学生が英語学習における自分の目標を自覚し主体的に取り組むことであり，その結果としての目標到達度を「学び方」もふくめて自己評価することで，自分の到達度，何らかの進歩・向上を実感し，それを肯定的・積極的に評価できるようになると同時に，その後の目標も自分で設定することが可能になるということである。学生たちに「英語の学び方」をどう学ばせるか・その評価方法・習得途上にある英語学習をどう継続させていくのか，より高度な英語力を身につけたいという意欲のある学生にどう指導し将来の目標に近づけていくのか，また，目標を持たず意欲もわかない学生に対して何ができるのかについて今後さらなる研究が必要である